風邪でここ数日寝ているので、図書館で借りた本を何冊かまとめて読んだ。今日は小川糸の「ファミリーツリー」。
奇しくも今、NHKの朝の連ドラの舞台の安曇野の話。夏ごとに安曇野にやってくる遠縁の女の子凛々(リリー)と同い年の姉蔦子と、一つしたの弟、流星(リュウ)の交流の物語。
ほのぼのした雰囲気のリュウの回想で始まったこの小説だが、夜景を見に行った墓地で、子犬を拾い、「海」と名づけたあたりから、もう夢中になって読んだ。
「海」と名づけられたその犬は、結局海を見る事は出来ず、短い生涯を思わぬ形で終わらせるのだが・・・。
そのきっかけの火事から、物語は大きく変化する。小説を作る上で仕方のない展開だったのかもしれないけれど、あんなに犬について調べておいて、中庭に犬を鎖でつなぐ飼い方ってどうなのと思ったり。
でも昔はそうだったよなぁとか、あとは、犬を飼う事を許してくれた旅館を経営していたばあちゃんとの約束がこの飼い方だったから仕方ないのかなとか。
その後の展開と結末はともかくとして、とにかく泣けて泣けてしょうがなかった。最後は海に散骨される、「海」の遺骨なのだが、読み終えても、犬の海の事が、私の頭から離れなかった。
そんなわけで、今日の二枚目の絵は、犬の海を海で自由に走らせる図柄になった。映画もそうだけれど、犬の小説も泣ける。短い命を精一杯燃やして生きているからなのかな。
読み終えてから、思わず愛犬をぎゅーっと抱き締めて、犬の鼓動とぬくもりをじっと感じてしまった私である。
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